幹細胞療法(骨髄幹細胞療法(MSC)、脂肪幹細胞療法(ADSC))
自分の細胞を培養して用いる再生医療
『幹細胞』とは
動物の体を構成するいろいろな器官・臓器はすべて、細胞という最小単位の集合体です。たとえば、筋肉は筋細胞、骨は骨細胞から成り立っている、ということです。『幹細胞』は、これらさまざまな細胞に変化することのできる、いわば原型となる細胞です。
幹細胞は、分裂して自分と同じ細胞を作ることも(自己複製能)、様々な細胞に変化することも(多分化能)でき、この二つの能力で、発生や組織の再生などを担うと考えられています。
『幹細胞療法』とは
幹細胞は、骨や軟骨、筋肉・心筋、血管などを形づくる細胞に変化できることが知られています(この変化を『分化』といいます)。 幹細胞療法は、この分化能力を利用して、幹細胞を動物の体から採取して、体外で培養・増殖させ、再び体に戻すことで、病気やけがで失われた臓器や器官の再生を行うという治療法です。
現在の幹細胞療法では、二種類の幹細胞を利用します。ひとつは、骨髄に含まれる骨髄液の中に存在する『骨髄幹細胞療法(MSC)』、もうひとつは、皮下脂肪の中に含まれる『脂肪幹細胞(ADSC)』です。
治療応用例
基本的には脳細胞が
①傷部位の細胞への分化
②損傷部に栄養をおくる血管への分化
が起こり、損傷部の修復を助ける、と考えられています。